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(前回の続き)
★現れた運命はすべて絶妙にバランスされている
そういう状況を指して、「天網恢恢疎にして漏らさず」っていうんだ。
人間の心ってのは、きみたちが思ってるような表面意識だけじゃないんだよ。
その奥に、何層にも何層にも重なり合った幾つもの想いがある。
そんな事実には想いも及ばずに、自分自分と思ってる顕在意識だけでもって、アップアップしてるのが肉体人間の実像なんだよ。
だからきみたちの世界の尺度でどんなに偉く立派に見える人だって、その逆に、家にも住めずに生きてるホームレスの人だって五十歩百歩で、どんぐりの背比べだっていうんだ。
肉体人間同士の世界は、「おまえ、小ちぇーなあ」「あっ?おまえもな」ってなもんで、自分と他人を比較して、上だの下だのマウントし合うことがいかにバカげたことかを知らなければいけない。
それで、一見して関係ないように見える個々人の想念言行群像が密接に繋がり合ってるって話だけど、何に例えたらわかりやすいかなぁ……。
ああ、うん、そうだ、それはお料理みたいなものなんだよ。
例えば、ある料理を作ろうとするときに、素材や調味料の配合によっては、とっても美味しい料理になったり、そうじゃないものになったりするでしょ。
素材同士の持ち味や調味料の配合加減が絶妙にマッチしたときにこそ、美味しい料理ができているように、人間たちの想念言行も絶妙にバランスされて、それぞれがそれぞれにカルマを消し合い、生かし合い、輝かせ合うように、実にうまく配合されてるんだ。
★一番簡単に自己統合を果たす最善の道
そしてそれは、人間智では推し量ることができない。
なぜなら多くの人が、過去世の想念言行と今生の運命における因果関係も何も知らないで、今の自分の立場からしか物事を見てないでしょ。
かといって、霊能者に見てもらったところで、さらに混乱するだけだ。
ほとんどが勝手につくった物語を聞かされるからね。
少しまともな人だって想念を読んでるだけだから、全体のなかにおける位置付けを見れてない断片的な情報を伝えられるだけで、分裂を促進しこそすれ、統合に至るヒントなんかどこにもない。
人間は生命の源においてみんながひとついのちの存在なんだってことがわからなければ、いつまで経っても相対観念の檻の中からしか、世界を観ることが出来ないんだよ。
だから結局のとこ、自分自身の分裂を統合して、調和させる以外に方法はない。
それを簡単にできる方法が、いつもの呼吸を深くすることなんだよ。
他人に感じる想いをひっくり返して、自分のこととして観るんだ。
そうすることで、心の調和が果たされるんだよ。
他人のことをひとごととして観てる間は、何ごとにおいても真実を見出すことが出来ないんだよ。
極論を言えば、ひとりひとりの人間の内なる心の世界の平和が出来上がらなければ、現れの世界にそれが現れることはない。
きみたちが現実だと見ている世界は、自己の認識が鏡のように映し出されてる世界だからね。
その認識も、さっき言ったように次元の奥行きがあって平面ではない。
難しいね。
だから頭で考えなくてもいいから、いのちの大元がしているのと同じように、ユッタリとした呼吸をして、その呼吸音に身を委ねていればいい。
それが一番簡単に自己統合を果たす最善の道なのだからね。(終わり)